OSPF特殊エリア(スタブ・完全スタブ・NSSA・完全NSSA)の違いと設定方法まとめ


OSPFの特殊エリアの違いを理解するのに苦しんだので、自分用のまとめと、ciscoルータへの設定方法を紹介する。

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目次

OSPFのエリアは6つ

OSPFのエリアには標準・バックボーン・スタブ・完全スタブ・NSSA・完全NSSAの6タイプがある。

特殊エリア

スタブエリア・完全スタブエリア・NSSA・完全NSSAの4エリアは、
バックボーンエリアからアドバタイズされるLSAのうち、特定タイプのLSAを学習しない特殊エリアである。

また、標準エリアに対して適用できるが、バックボーンエリアには適用できない。

①スタブエリア

・自AS以外のルート(外部ルート)の情報を受け取らないエリア。また自エリア以外の情報は集約される。
・LSAタイプ1~3のみを学習し、LSAタイプ4~5は学習しない
・ASBRを設置することができない。ASBRを設置してアドバタイズしてもLSAタイプ5はブロックされる。
・内部ルータは他AS宛てのパケットをデフォルトルートに転送する

設定例

area エリアID stub
※stubオプションにより、LSAタイプ4~5がブロックされる
※エリア内の全ルータ(全内部ルータおよび全ABR)に対して設定する

②完全スタブエリア(トータリースタブエリア)

自エリア以外のルート情報は受け取らないエリア。Cisco社独自の仕様
・LSAタイプ1~2のみを学習し、LSAタイプ3~5は学習しない。
・ASBRを設置することができない。ASBRを設置してアドバタイズしてもLSAタイプ5はブロックされる。
・内部ルータは、他ASおよび他エリア宛てのパケットをデフォルトルートに転送する

設定例

area エリアID stub
area エリアID stub no-summary

※stubオプションにより、LSAタイプ4~5がブロックされる
※no-summaryオプションにより、LSAタイプ3がブロックされる。
※エリア内の全ルータ(ABR)に対して設定する
※エリア内の内部ルータに対して、stubオプションのみ有効化され、no-summaryオプションは無視される。

③NSSA(Not So Stubby Area)

・基本的にはスタブエリアだが,一部の外部ルートを通知するエリア。ASBRをエリア内に持つスタブエリアがこれにあたる
・LSAタイプ1~3および7のみを学習し、LSAタイプ4~5は学習しない
・スタブエリアと同等の機能を持ち、ASBRを設置できる

設定例

area エリアID nssa
※nssaオプションにより、LSAタイプ4~5がブロックされる。LSAタイプ7はプロックされない。
※エリア内の全ルータ(全内部ルータ、全ABR、全ASBR)に対して設定する。

④完全NSSA(トータリーNSSA)

・基本的には完全スタブエリアだが,一部の外部ルートを通知するエリア。ASBRをエリア内に持つ完全スタブエリアがこれにあたる
・LSAタイプ1~2および7のみを学習し、LSAタイプ3~5は学習しない
・完全スタブエリアと同等の機能を持ち、ASBRを設置できる

設定例

area エリアID nssa
area エリアID nssa no-summary

※nssaオプションにより、LSAタイプ4~5がブロックされる。LSAタイプ7はプロックされない。
※no-summaryオプションにより、LSAタイプ3がブロックされる。
※エリア内の全ルータ(ABR)に対して設定する
※エリア内の内部ルータに対して、stubオプションのみ有効化され、no-summaryオプションは無視される。

参考にしたもの

黒本:徹底攻略Cisco CCNP Routing & Switching SWITCH教科書[300-115J]対応
シスコ資格:CCNPへの道(BSCI編) – OSPF編 エリアタイプを押さえる:ITpro
OSPF- Multi area

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